
「木工から塗りまで、一貫した製品作りが産み出す良さ」
栗原木工所は当初、木加工専門の会社でした。
製品の仕上げの「塗り」を依頼していた工房が経営的に立ち行かなくなり、専務は塗りの工程も自分の会社で仕上げていく決意を20代で固めたのです。
「その当時、20代の若さで、そういった伝統工芸の世界に足を踏み入れる者は皆無で、後継者不足に悩む各方面の先輩方にはとてもかわいがっていただきました。」
自分はただ好きで塗りを極めるわけではない、会社の未来を自分が握っている。
10年かかるといわれる修行を2年で終えた専務の気迫はこういった背景を背負っていたからともいえるのでしょう。
しかし、この決断が他の会社にはない「栗原木工所」独自の一貫性を産み出しました。
木工加工だけではない、デザイン・加工・塗り・組み立てまでの流れを全て自社で行なえる。
「通常、お客様は欲しい品物を思い描いた時にどこに発注すればいいのか悩むと思います。そして、木工はここに、次に塗りはここにお願いする・・
そういう工程が普通です。
ですが、出来上がったものは多くの人の手を経ることで、当初のイメージとは違った造形になってしまうことがある。
しかも、それぞれに頼むコストは大きなものです。」
「塗り」を知らない木工所が作る製品は、必ずしも「塗り」の工程に適したデザインになっているとは限らない。とも専務は言います。
だからこそ、鏡面塗装で思うような作品が出来上がらず、すがるようにやってくるお客様がいることを専務は語ってくれました。
「デザインから組み立てまで、全てを自分達の手で仕上げられることに誇りを持っています。
ご相談を受けたお客様には、納得のいくものがご提供できるよう、誠心誠意とりくんでいます。」
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